「福岡、強いね」の声。J2で2強を占めつつ、視線はJ1復帰後へ (4ページ目)
実際、第24節で3位(当時)の徳島ヴォルティスとの直接対決に敗れ、「勝ち点3差まで迫られると、『あっ、来たな』という感じになった」。チーム内には戸惑いや焦りに似た嫌な雰囲気が、少なからず漂ったという。
だからこそ、三門は「試合の展開なども考えながら、(何が何でも勝ちにいくのではなく)少なくとも勝ち点1を取れるように、そこは僕とか、(DF岩下)敬輔とか、経験のある選手がコントロールしていきたい」と語る。
と同時に、今季J2を戦ううえで福岡が視野に入れているのは、「来季以降」だ。
もちろん、今季の最大目標がJ1昇格であることは言うまでもないが、それは大前提として承知のうえで、三門は「J2で優勝することが(最終的な)目的ではない。大事なのは、J1で戦っていくためにどうするの? ということ」だと語る。
福岡が、単にJ2で勝てばいいとは考えていないことは、試合内容からも見て取れる。
この日の試合でも、福岡は高い位置からボールを奪いにくる町田に対し、巧みにショートパスをつないでプレスをかいくぐり、ビッグチャンスを作り出すシーンが何度かあった。こうした「つなぐ」という作業は、「来季以降」を見据えたものに他ならない。
現段階で言えば、それは危うさと表裏一体であることは否めない。自陣のペナルティーエリア付近からでもパスをつなごうとしてボールを奪われ、結果として自らピンチを招くようなことも少なくなかった。井原監督も「前からのプレスにハマることが何度かあった。そこは(つなぐのか、蹴り出すのかの)判断が大事」だと認める。
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