J1昇格候補のはずが低迷する松本山雅。「あっさり失点病」は治るか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Masashi Hara - JL/Getty Images for DAZN

「J1から落ちて、同じことをやっても成長がない。時間をかけて、"ボールが流れるルート"を作ってきた。その成果は(プレーオフでも)出せたと思う」

 昨シーズン、プレーオフで敗れた反町監督はそう言ったが、それは強がりでも、言い訳でもなかった。プレー精度は上がっていたのだ。

 今シーズンも、その戦いを踏襲した。

 水戸戦も、松本はイニシアチブを握っている。工藤浩平がエリア内に侵入して左サイドを破り、波状攻撃を食らわす。石原崇兆が右サイドからピンポイントのクロスを折り返し、高崎寛之がヘディングで合わせた。

 前半から能動的に攻め、高さでもアドバンテージを取った。相手陣内のFKでは、ヘディングの強いセンターバック、飯田真輝を前線に上げ、同じく高さのある高崎とツインタワーで脅威を与える。前半36分には、GKが蹴ったロングボールを飯田が競り勝って裏に落とし、そこに走り込んだ高崎がGKと1対1になった。

 前半だけで10本のシュートを打ち込む。コーナーキックは6本で、対する水戸は0本。どちらも無得点とはいえ、ほぼワンサイドだった。

「チャンスメイクするところまではできている」と、反町監督は展開を振り返った。

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