面白いと噂のジェフ。ハイプレス・ハイラインって、どんだけ高いのか

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 今季より就任したフアン・エスナイデル監督のもと、ジェフユナイテッド千葉が面白いサッカーをしているということは、小耳にはさんでいた。

 このアルゼンチン人指揮官が求めるサッカーは、ひと言でいえば「ハイプレス・ハイライン」。とりわけそのライン設定は極端で、「どんだけ高いんだよと!」と思わず突っ込みを入れたくなるほどだという。

この男がジェフに「ハイプレス・ハイライン」を持ち込んだフアン・エスナイデル監督だこの男がジェフに「ハイプレス・ハイライン」を持ち込んだフアン・エスナイデル監督だ 当然、背後には広大なスペースが生まれるが、それでも高い位置でプレスをかけて出しどころを抑え、背後にボールを簡単には蹴らせない。あるいは蹴られても、出し手と受け手のタイミングを狂わせることで、オフサイドにかける。その積極的な守備スタイルは一見すると無謀だが、うまくハマればほとんどの選手が相手陣内にいるため、分厚い攻撃を仕掛けられるメリットがある。

 ハイプレス・ハイラインとは、つまり、ハイリスク・ハイリターンと言い換えることができるだろう。

 実際にこれまでの千葉の戦いを振り返れば、そのリスクとリターンの振れ幅の大きさを感じることができる。松本山雅FCに1-3(第4節)、横浜FCに0-4(第9節)、東京ヴェルディに0-3(第14節)と完敗を喫した一方で、V・ファーレン長崎に5-0(第13節)、愛媛FCに4-2(第16節)と完勝。そうした派手なスコアだけでなく、第17節を終えた成績は6勝5分6敗と、勝ち負けを繰り返す出入りの激しい戦いを続けている。

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