J1昇格候補のはずが低迷する松本山雅。
「あっさり失点病」は治るか (3ページ目)
「あとは最後のところのキレ、スピード、力強さ、正確さ。あるいは冷静さというのか。結局は自分たちのリズムのときに点が取れるか。取れるチームが勝ち点を取れるし、それに値する。それはどのチームも同じで、その精度を上げていかないと」
結局、松本はシュートを外し続けたツケを払うことになる。後半に入って70分、水戸のFKからのヘディングを防げなかった。
「失点に関しては、"あっさり失点病"というかね。相手のゴールがスーパーなら諦めもつくが......。あまり与えていないセットプレーで1発だから。粘れるところで粘れなくなっちゃった」
反町監督は俯(うつむ)いたまま言った。あっさり失点病の病根を特定するのは難しい。
メンバー編成的には、GKシュミット・ダニエル、左利きDFの喜山康平を放出した穴はあるだろう。失点シーンを切り取れば、ピッチに立つ選手に単純な甘さもあった。まず自陣でのスローインをあっさり敵に渡している。サイドへ流れた選手に対して不用意に後ろから倒し、FKを与えた。そして福井諒司にマークを外され、前に入られている。細かいミスが連続した、必然的失点だった。
しかし、複合的な要因も考えられる。攻めながら得点を奪えないことで、ディフェンスは慎重さから後手を踏み、焦りから判断を鈍らせる。
3 / 4