広島の攻撃スタイルにピッタリ。
工藤壮人は佐藤寿人の後継者となる (3ページ目)
長年、エースとして君臨した佐藤の衰えがスタイルの変更を余儀なくされた理由のひとつだろう。その佐藤は名古屋グランパスへと移籍したが、彼と同タイプのストライカーが存在すれば、広島スタイルは復活するはず。佐藤の後継者を模索するなか、白羽の矢を立てたのが工藤だった。おそらく広島のフロントにはそうした狙いがあるはずだ。
実際に、佐藤と工藤には共通項が多い。両者ともに決して身体能力に優れているわけでもなく、技術が格段に高いわけでもない。しかし、「点を獲る」ということに関しては、国内でも最高峰のレベルにある。スペースを突く動きや、DFとの駆け引き、シュートセンスの高さも含め、両者はゴールを奪うために何をすべきかを知る、いわばストライカーらしいストライカーと言えるだろう。
実は4年前に、とあるサッカー誌の企画で、このふたりの対談を行なったことがある。そこで感じたのは、ふたりからは同じ匂いがするということ。同じメンタリティを備えているというのか、感覚が似ているというべきか。わかる人にしかわからない会話が成立してしまうため、取材者としてはどこか置いてけぼり感を食らったことを覚えている。
その際に佐藤は、工藤に対してこんなことを言っていた。
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