広島の攻撃スタイルにピッタリ。工藤壮人は佐藤寿人の後継者となる

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

2017年、私のイチオシ「Jリーガー」(4)
工藤壮人(サンフレッチェ広島/FW)

 プロのアスリートがブレイクを果たす条件のひとつに、環境の変化が挙げられるだろう。サッカーの場合、変化を生み出す手っ取り早い手段に「移籍」がある。数多くの選手たちが、所属クラブを変えることで、新たな可能性を見出してきた。

MLSで経験を積んだ工藤壮人は日本でどんなプレーを見せるのかMLSで経験を積んだ工藤壮人は日本でどんなプレーを見せるのか 移籍をきっかけに、くすぶっていた過去を払拭した例は枚挙にいとまがない(逆にトーンダウンする場合もあるが......)。近年のJリーグで際立った成果を挙げたケースは、ヴィッセル神戸から川崎フロンターレに移籍したFW大久保嘉人ではないだろうか。前年、神戸でわずか4ゴールだった大久保は、2013年に川崎Fに移籍するや否や26ゴールを挙げて得点王に輝き、3年連続でこの個人タイトルを獲得している。風間八宏監督が標榜する攻撃的なスタイルが、大久保の持っていたストライカーとしての能力を呼び起こしたのは間違いなく、再ブレイクして2014年のワールドカップにも出場した。

 その大久保の成功例を踏まえて、「今季ブレイクするJリーガー」というテーマを考えたとき、真っ先に思い浮かんだのが、MLSのバンクーバー・ホワイトキャップスからサンフレッチェ広島に移籍したFW工藤壮人(くどう・まさと)だ。すでにJリーグで十分な実績があり、日本代表経験もあるストライカーに「ブレイク」という言葉を当てはめるのにいささか抵抗はあるものの、工藤が大久保と同じ道を辿る可能性は十分あると見ている。

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る