レギュラーを突き上げろ。W杯アジア最終予選で期待するリオ五輪組 (2ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro

 8月10日に発表された最新のFIFAランキングでは、日本代表は49位。ライバル国はオーストラリアが57位、サウジアラビアが61位、UAEが74位、イラクが113位、タイが120位と、すべての国が格下に位置された。だが、FIFAランキングが実力を反映しているかといえば、必ずしもそうとは言えないことは周知の通り。たとえば、UAEとは2015年1月のアジアカップの決勝トーナメント1回戦で対戦し、PK戦で敗れた。決して楽観視できる相手ではない。

 9月1日に埼玉スタジアムでのUAE戦で幕開けする最終予選では、序盤4試合が重要と言える。グループ内最大のライバルと目されるオーストラリアとは、4戦目に敵地で対戦する。日本代表が苦手にする"高さ"と"パワー"を前面に出した攻撃をしてくるオーストラリア戦では、負けない試合をして少なくとも勝ち点1を奪うことが最重要課題になる。

 最初の4試合のうち、最も警戒しなければならないのは、第2戦にアウェーで対戦するタイ戦だろう。80年代まで日本代表が何度も煮え湯を飲まされた相手で、90年以降は低迷していたが、近年は若年代の強化に取り組み、その成果が着実に現れている。

  さらに、伸び盛りのタイ代表以上に厄介なのが、タイのサポーターだ。サッカー熱の高いタイでは、プレミアリーグやJリーグの人気も高く、日本代表のことも よく知られている。それだけにタイ代表が、日本を相手に互角の戦いを続けるほど、スタジアムの雰囲気は熱狂的になっていく。そうした時ほど、ジャイアント キリングは起こりやすい。

 日本代表としては、タイ代表が熱狂的な声援を背に勢いづく前にゴールを奪い、スタジアムの熱を上げさせないことが大切になる。

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