ハリルホジッチ監督が本領を発揮するために協会がすべきこと (2ページ目)
2015年1月のアジアカップ、決勝トーナメント1回戦で敗れた直後にアギーレ前監督が解任され、明るい話題がなかった日本代表に、上げ潮ムードをもたらしたといえる。
しかし、6月16日に行なわれたW杯2次予選初戦のシンガポール戦を0--0で引き分けてから歯車が狂いだした。
8月には国内組の新戦力発掘をテーマにして臨んだ東アジアカップで1勝もできず、史上初めての最下位。その後、9月から再開されたW杯2次予選では欧州組を中心にしたメンバー編成で4連勝してグループ首位に立ったものの、就任当初の勢いは影を潜めてしまった。
こうしたハリルジャパン停滞の原因のひとつは、「監督の認識不足」にあったと感じている。そのひとつ目が、"日本サッカーの置かれた状況"への理解不足だ。世界の強豪国と対峙する際に日本代表は格下になるが、ほとんどのアジア諸国との対戦では日本が格上になる。つまり、"世界"と"アジア"で戦い方を変えなくてはならない "ダブルスタンダード"という問題を抱えていることは、ハリルホジッチ監督もサッカー協会関係者から何度も聞かされていただろう。
だが、実際にW杯2次予選でベタ引きする対戦相手を見て、「これほどまでとは......」と戸惑ったのではないか。そして、カンボジア戦後の会見では「アジアの監督たちへのメッセージにもなりますが、チームを発展させたいならもう少し勇気をもって攻撃をするべき。これが原因で、アジアのサッカーは低いレベルに留まっている」というコメントを残した。
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