ハリルホジッチ監督が本領を発揮するために協会がすべきこと (4ページ目)
実際、ハリルホジッチ監督が日本代表監督に就任した直後、何度も「縦に速い攻撃」を口にすると、試合で相手がベタ引きで守ってスペースがない状態でも、日本代表は頑なに監督の指示を守って「縦に速い攻撃」だけを繰り返した。これがヨーロッパやアフリカの選手たちなら、状況に合わせて勝つために何をすべきかを考え、ポゼッションして崩すことも選択肢にして攻撃しただろう。
ただし、こうした部分のメンタリティーの違いを理解したのか、最近のハリルホジッチ監督は、選手たちに強い言葉を発信しなくなった印象だ。これは、ハリルホジッチ監督が日本代表を指導した9カ月間で少しずつ日本人選手のキャラクターを理解してきたからではないだろうか。
就任後、W杯2次予選で格下相手に苦戦が続いたことで、ハリルホジッチ監督の評価はやや微妙なものになっていき、逆風に立たされることになった。
だが、まだハリルホジッチ監督の真価は発揮されていないとも私は考えている。そもそも、ハリルホジッチ監督は、日本代表がW杯本大会でベスト16以上に進むために欠けているピースを埋めてくれる指揮官として招聘された。日本サッカー協会としても、世界の強豪国から勝利を奪うために、ザッケローニ監督時代にはなかった「縦に速い攻撃」が必要と考えたからこそ、ハリルホジッチ監督を登用したはず。
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