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ハリルホジッチ監督が本領を発揮するために協会がすべきこと (3ページ目)

 たとえば、日本で指揮をすることが初めてだったザッケローニ元監督が就任前に持っていた日本サッカーについての知識は、ハリルホジッチ監督と同程度だったはずだ。それでも、ザッケローニ監督は「日本サッカー」だけを学ぶのではなく、日本の文化にも積極的に触れ、認識を深めていった。そうやって徐々に日本人選手の基本的な精神性を理解し、その個性を伸ばしてチームを強化することにつなげた。

 この“日本人特有のメンタリティー”は、たびたび取り上げてきた話題だが、ハリルホジッチ監督のふたつ目の認識不足は、まさにこの点にあると思っている。

 ハリルホジッチ監督の指揮官としての経歴は華々しい。フランス国内リーグではリールを率いてフランス年間最優秀監督に輝き、2014年のW杯ブラジル大会ではアルジェリア代表を史上初のベスト16に導いた。その実績は間違いなく世界レベルだ。ただ、これまで彼が指導してきたのは、ヨーロッパやアフリカの選手たち。「積極性」と「個人」が優先される彼らのメンタリティーと、「協調性」を優先する日本人のそれでは、やはり異なる部分があるはずだ。

 また、ハリルホジッチ監督は、ヨーロッパやアフリカの選手を指導するように「強い言葉」を発していたが、そうすると日本人選手は「それしかやらなくなる」傾向がある。

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