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「J2史上最強の3位」アビスパ福岡が挑む、昇格プレーオフの呪い (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Kaz Photography/Getty Images

 J1昇格プレーオフは、準決勝、決勝とも1試合制で行なわれ、引き分けの場合はリーグ戦順位の上位クラブが勝ち上がる。当然、一番有利な立場にあるのは3位である。にもかかわらず、3位のクラブが一度も昇格できていないのは、逆にこの有利な条件が心理的に守りに入らせ、足を引っ張ってしまうからではないだろうか。DF中村北斗が語る。

「下(の順位のクラブ)は当たって砕けろで来るのに対して、(3位のクラブは)前(攻撃)に出て行こうと思っても、後ろ(守備)の枚数が少なくなることを恐れると前に行けなくなる。特にラスト20分くらいになると、メンタルの面がそうさせるんだと思う」

 失うもののない相手ほど怖いものはない。だからこそ、3位のクラブは苦戦が続く。MF末吉隼也が言うように、「引き分け狙いだとやられてしまうので、勝ちに行きたい」という気持ちをどれだけ強く持てるか。そのあたりにジンクス打破のカギがある。

 とはいえ、そんな不安が杞憂に終わる可能性も十分にある。というのも、福岡はこれまでJ1昇格プレーオフに出てきた“並みの3位”ではないからだ。

 今季福岡がリーグ戦で積み上げた勝ち点は82。これはJ2が22クラブによって争われるようになった2012年以来、3位クラブの勝ち点としては最多である(これまでの過去最多は2012年京都サンガの74)。加えて、4位以下との勝ち点差で比較すると、いかに今季の福岡が強かったかがよくわかる。

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