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豊田陽平「アジア杯の代表に一丸となって戦う手応えはなかった」 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AAP Images/AFLO

 もっとも、自己暗示は容易ではない。

「正直を言えば、年々プレッシャーはふくれあがっています」

 豊田は胸中を打ち明ける。

「歳を重ねるたび、より良い結果を残さないと認められません。日本代表に選ばれると、今度はそこでの活躍が問われるし、Jリーグ3年連続15得点という記録を4年目もできるのか、とか。どんどん要求は高くなっていきます。結果を出し続ける中で、新しいことにチャレンジするべきなんだけど、それは怖さもあったりするんですよ。自分だけだとネガティブな想像が広がることもあります」

 シーズンオフ、福岡ソフトバンクホークスで二度の沢村賞を受賞するなどした伝説的投手、斉藤和巳氏と対談する機会があった。そこで豊田は、自身が抱えているストレスを白状している。

「ダメだったら、元のスタイルに戻ればいい。変化は進化ですよ」

 異種スポーツで一流を究めた人物にそう言って励まされたとき、開眼した気がしたという。

「やるしかない、というのは自分にとって不変のスタンスなんですよ」と豊田は言う。

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