セレッソ山口蛍を直撃。タイトル獲得の準備はできたか (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 新キャプテンが言う「去年とは違った攻撃」とは、どんなものか。山口が続ける。

「去年よりもワイドな展開からの攻撃が増えてくる。そこは、新しいセレッソの攻撃の形かなと思う」

 確かに宮崎キャンプの最終日に行なわれたベガルタ仙台との練習試合でも、そうした意図は見受けられた。

 ペナルティーエリア付近でショートパスをつなぐスタイルこそ変わっていないが、そこに至る過程ではピッチの横幅を広く使い、ワイドにボールを動かして敵の守備網を広げる。そして、相手選手をサイドに引っ張り出したうえで、ゴール前の打開を試みていた。実際、仙台戦でも左右に大きく展開する形からゴールが生まれている。

「ボールの回し方はもう少し改善しなくちゃいけないと思う」

 山口はそう言って、課題を口にすることを忘れなかったが、J1のチームを相手に4-1で勝利を収めた試合には十分な手応えを感じている。

「(キャンプでは)Jリーグのチームとそんなに試合をしていなかったので、J1のチームとやれて、結果も出たことはよかったと思う。チームとして、攻撃も守備も全体的にコンパクトにやるっていう狙いがある中で、ボールを奪ったら狭いところから広いところへボールを展開し、相手を広げていくっていうことをやっているので、それをもっと高い精度でやれれば、セレッソらしいすごくいい攻撃ができると思う」

 セレッソが狙う4つのタイトルのうち最初にスタートするのが、2月25日にグループリーグ初戦を迎えるACLだ。セレッソは敵地に乗り込んで、韓国の浦項スティーラーズと対戦する。

 2月19日まで行なわれていた宮崎キャンプでは、Jリーグとはメーカーが異なるACLの公式球で常にトレーニングするなど、細かな準備を怠らないあたりに、初のアジア制覇への強い意欲を感じさせる。

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