2014.02.24

困難な長期政権からの変革。ベガルタは「ジンクス」を破れるか

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 ひとりの監督による長期政権が続き、しかもその間に大きな成果を収めてしまうと、次に監督を代えるタイミングは難しくなる。同じコンセプトのもと、長くプレイしてきた選手が戦い方の変化に戸惑ってしまうのか、監督交代をきっかけに成績が下降してしまう例は少なくないからだ。

 思えば、ガンバ大阪のJ2降格も西野朗監督が10シーズンもの長期政権を終えた直後のことだった。あるいは今季のマンチェスター・ユナイテッドなども、その典型だろう。

今季からベガルタの指揮を執るアーノルド監督。 今季のJ1において、そんな"ジンクス"の打破に挑むのが、新監督を迎えて新たなスタートを切るベガルタ仙台だ。

 昨季まで手倉森誠監督が6シーズン(2008年~2013年)指揮を執った仙台は、その間にJ2を制してJ1昇格。J1に上がって3シーズン目となる2012年には、クラブ史上最高位の2位となり、AFCチャンピオンズリーグ(AFC)の出場権も獲得した。

 仙台を躍進させた手倉森監督が築いたスタイルは堅守速攻。昨季はポゼッション志向への転換を図りはしたが、基本的には堅守速攻こそが仙台のスタイルとして確立され、広く知られている。

 一時代を築いた手倉森監督の五輪代表監督(2016年リオデジャネイロ)就任にともない、今季指揮官の座を引き継いだのは、グラハム・アーノルド監督。現役時代はサンフレッチェ広島のFWとしてJリーグでプレイした経験を持ち、引退後はオーストラリア代表や五輪代表のコーチ、監督を歴任し、オーストラリアリーグではセントラル・コースト・マリナーズで指揮を執った。昨季まで監督を務めたセントラル・コーストでは、チームをリーグ優勝に導き、ACLにも出場。そこでは、名古屋グランパスや柏レイソルと対戦するなど、日本サッカーとも浅からぬ因縁がある。