【高校サッカー選手権】
注目の準々決勝。本命・市立船橋に弱点はあるか (2ページ目)
そんな状態にあっても、3回戦の那覇西(沖縄県)戦ではチームの勝利(3-2)に貢献した。クロスバーを直撃する強烈なミドルシュートを放つなど、徐々に大会の雰囲気にフィット。ずっとテーマにしてきた周りを生かすプレイも随所に披露し、1ゴール、1アシストと活躍を見せた。
さて、準々決勝屈指のこのカード。ある程度ボールを支配し、試合の主導権を握るのはおそらく市立船橋だろう。ただ、それで勝敗が決まるわけではない。市立船橋がボールを保持しているときでも、リスクマネジメントを怠れば、50m走5.8秒という俊足の小屋松がDFラインの裏を虎視眈々と狙っているからだ。
特にサイドバックの裏を突く小屋松の嗅覚は特筆モノ。そこで、復調してきた小屋松に自由にプレイされたら、市立船橋は相当苦しめられることになるだろう。すなわち、勝敗の行方を左右するポイントは、市立船橋のDFラインがどう連係して小屋松のスペースを埋めるのか。そんな頭脳戦がこの試合の見どころとなる。
1年生ながら高い技術を持つ、四日市中央工の司令塔・森島司。 四日市中央工(三重県)vs履正社(大阪府)も、準々決勝注目のカードだ。
四日市中央工の中心は、背番号16番の小林颯(こばやし・はやて)、14番の森島司、8番の木下史也の「1年生トリオ」。小林はFWとトップ下、森島はトップ下とボランチの位置を行き来して、左MFのポジションを務める木下とともに、チームの攻撃を組み立てる。チーム伝統のエースナンバー17番をつけるFW井手川純(3年)も、彼ら3人の実力を高く評価し、厚い信頼を寄せている。
「あいつらがボールを持って、相手を揺さぶってくれる。それで、自分が生かされている部分もある。3人とも本当にうまいやつらなので、僕は相手を引きつけるような無駄走りでもしていればいい感じ」
四日市中央工の命運は、まさに「1年生トリオ」の出来次第と言ってもいいだろう。
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