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宇佐美貴史「W杯を目指す。次でいいやと思ったら、その次もない」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

――それでも、ドイツにいた2年間に得たものは大きかったのでは?

「それはそうですね。そこにいたこと、積み上げたことはマイナスには絶対ならないと思います。帰ってからも、2年前のプレイとは明らかに違う自分がいると確信してます。全然違う。前のガンバ時代は試合には使われてはいたけれど、ただがむしゃらにというか、みんなについていってたという感じだったので」
――先輩についていく感じだったんですね。

「それだけで必死だった。帰ってきてからは、それじゃあかんというメンタルでいるし、今のところはしっかりできていると思う。2年前と違うプレイヤーになれているというのは手応えとしてありますね」

――具体的にはどんなプレイで感じますか。

「寄せられた時の圧力を今はあまり感じない。相手が甘いとかではなくて、落ち着いてゆっくりまわりを見ることができている自分がいます。寄せられても体でガっといけるような、フィジカルでの余裕の作り方ができるようになりました。ファーストタッチとか細かいタッチによるキープと、フィジカルでのキープ、二つができるようになった。だから体を自分から当てられるようになりました。当たってこられても気にならない感じなので。それで少し奥行きがでたかなと思います」

――体も大きくなりました?

「そうですね。だからフィジカルコンタクトが嫌いじゃなくなりました。もちろん、体をぶつけてばかりで技術がなければ、体への負担も大きいですよね。でも、技を生かすためのフィジカルは有効かな、と。逆にフィジカルを出すために技術が有効だったりもすると思う。キープの仕方にはかなり手応えがあります」

――欧州からJリーグに戻るとスピードが遅いと感じませんか。

「海外とは"売り"が 違うんだと思います。向こうはやっぱりスピードだし、こっちはゆっくりで技術的だと思う。だってホッフェンハイムでボール回しの練習をしていて、10回以上回ったことはないですよ。上手さだったら絶対ガンバのほうが上。でも、日本は上手さでサッカーができるけど、スプリントとかいざというときの迫力は向こうのほうがあるのかな。それに、なんだかんだいって得点を取れちゃったりもする。そういう決定力は日本にはないなとは思います」

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