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首位決戦で大宮を撃破。広島が見せた「常勝軍団の資質」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

「はね返す力っていうのは、間違いなく去年よりも身についているところだと思う。去年は主導権を握られたり、苦しかったりすると、そのままゲームを落としていた傾向があったけど、今年は苦しいなかでもしっかりはね返して、失点してもまた盛り返すことができている」

 先週は東アジアカップが開かれたため、日本代表に選ばれたGK西川周作、DF千葉和彦、MF青山敏弘、高萩洋次郎、さらには韓国代表に選ばれたDFファン・ソッコと合わせて、5選手が広島を離れていた。首位決戦を目前に控え、主力選手を大量に欠く状況は調整を難しくしたはずだ。

 それでも森保一監督は、「(代表組が)持ち帰った経験をチームに還元してくれる」とプラス面を強調。佐藤もまた、「コンディションが万全ではないなかで、『戦う』というところはしっかりやってくれた」と代表組を称えた。

 一方、大宮にしても首位の座を明け渡したとはいえ、決して内容的に見劣っていたわけではない。大宮のベルデニック監督は、「主導権を握り、ボールを保持する時間も長かった。守備も全体的に悪くなかった」と振り返る。

 しかし、だからこそ、このところの勢いの差が勝敗を分けたとも言える。森保監督は言う。

「(同点に)追いつかれても選手は慌てず、やるべきことを続けたことがいいゲームにつながった。相手の勢いに飲まれず、流れを引き寄せる勝負強さが出せた」

 常に圧倒的な力で相手をねじ伏せるわけではなく、内容が悪いなりにも確実に勝ち点を重ねる。かつての鹿島や磐田がそうであったように、広島にも『常勝軍団の資質』が備わりつつあるようだ。

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