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今季の浦和は、本当にターンオーバー制が可能か? (3ページ目)

  • photo by Getty Images

 複数のタイトルを取ることはそんなに簡単なことではない。あれだけの戦力をそろえているレアル・マドリードでも、タイトルをいくつも取れないシーズンがあるのだから。

 ただ、今季の浦和は、2007年よりもターンオーバーができる陣容になりつつあるのではないか。2シャドーには、柏木陽介、原口元気、マルシオ・リシャルデス。DFラインには永田充、槙野智章、坪井慶介、森脇良太、那須大亮がいる。

 また、両ワイドについても、昨年はシーズンを通してなかなか駒がそろわず、終盤にやや失速した一因になっていた。ペトロビッチ監督のサッカーの場合、3-4-2-1の「4」の両ワイドはかなりの運動量が求められるので、ほかのポジションよりも疲労が蓄積しやすい。今季、そこに関口訓充が入ったこと、さらに、宇賀神友弥が成長してきたことは非常に大きいだろう。昨シーズン同様、梅崎司、平川忠亮もいる。

 ただし、ワントップの興梠慎三と、ダブルボランチの鈴木啓太、阿部勇樹の交代要員が少ないことが不安要素ではある。ボランチにはセンターバック、サイドバックなど、複数のポジションができる那須が入ることもあるだろう。現在の浦和のスタイルでは、ボランチは非常に重要な役割を担っている。攻撃時は、ボランチがボールを散らしていかなくてはいけない。ということは、相手に狙われる。だからこそ、若手の成長も含めて、バックアップが必要になってくる。

 バルセロナで今季問題になっているのは、メッシと同様に、中盤のブスケッツも替えが利かないことだ。ブスケッツの交代要員としてアーセナルからソングを獲得したが、あまり機能していない。

 つまり、高いレベルでの補強をして、チーム力をアップし、替えが利かない選手をどれだけ減らせるか。それが、ターンオーバー制を敷くためにクラブがするべきことだと私は思う。主力を休ませたときに、チーム力が落ちるのであれば、それは単にセカンドチームというだけで、ターンオーバーとはいえない。

 ヨーロッパのビッグクラブと同じような豊富な戦力はまだそろえられないということであれば、主力を先発で使い続けながら、試合の残り10分、20分ほどで主力を早めに交代させて、コンディションを維持するというやり方もある。実際、2007年のオジェック監督は、結果がほぼ決まった試合のときは、ポンテを後半早めに下げる采配をしていた。こうすることで、疲れが蓄積しにくくなり、回復を早めることができる。

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