2013.04.29

進境著しい鹿島の柴崎岳。豪快ロング弾でザックに猛アピール

  • 小室 功●文 text by Komuro Isao
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

今季、チーム内での存在感が一気に増した鹿島の柴崎岳。代表入りの期待が高まる。 近い将来、日本サッカー界を牽引するであろう「プラチナ世代(※)」のひとり、柴崎岳が輝きを増している。青森県の強豪・青森山田高から鹿島アントラーズ入りして3年目。スタメン定着はもとより、今や「チームの顔」といっても差し支えないほどの働きぶりだ。
※2009年U-17W杯に出場した世代。宇佐美貴史(ホッフェンハイム)、宮市亮(ウィガン)、高木善朗(ユトレヒト)らがいる。

 トニーニョ・セレーゾ監督も、柴崎の成長には目を細めている。
「機動力があり、ダイナミックなプレイができるし、何より技術がしっかりしている。あの年齢にしては驚くほど冷静にボールをさばけるのが特徴だ。これまでに自分で撒(ま)いてきた(成長のための)種を、自分の力で刈り取っている段階。今後もそれを継続してほしいし、今まで以上のパフォーマンスを期待している」

 4月27日、Jリーグ第8節のアルビレックス新潟戦。鹿島は3-2で勝利して、4位に浮上した。この試合の突破口を開いたのも、柴崎だった。前半6分、ブレ球の強烈なロング弾を叩き込んで先制ゴールを奪った。

「ボールを受けてからシュートを打つまでのプロセスはイメージどおり。GKが前に出ているのはわかっていたので、思い切って狙った。ただ、何度も打てるようなシュートではないし、(ブレ球を)意識して蹴ったわけでもない。決まったのは、偶然という部分もある」

 およそ35mの距離から、目の覚めるような一発を決めておきながら、こんなふうに淡々と振り返っていたのが、何とも柴崎らしい。

 弱冠20歳ながら、その落ち着き払った立ち振る舞いから「まるでベテラン選手のようだ」と評される。ひと言でいえば、クール。試合の主導権を相手に握られ、苦しい時間帯がどんなに続こうと、たとえピンチに立たされようと、慌てず、騒がず、動揺した素振りを見せることはない。動揺してしまうときもあるだろうが、それを一切顔に出さないのだ。