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今季の浦和は、本当にターンオーバー制が可能か? (2ページ目)

  • photo by Getty Images

 たとえば、先発からルーニーとクレバリーを外し、今日はファン・ペルシーと香川真司でやりますというようなことができる。つまり、リーグで飛び抜けた戦力を持っていなければ、ターンオーバーがそもそも難しいということでもある。

 Jリーグのクラブの場合も、リーグ戦とACL、カップ戦を戦うとき、選手のコンディション管理が重要なので、2チーム分の戦力をそろえてターンオーバー制で戦うべきという意見が多い。だが、実際問題、高いレベルの選手を2チーム分そろえることはなかなか難しい。

 ACLで優勝した2007年のオジェック監督時代の浦和は「ターンオーバーできるだけの戦力がそろっていた」という見方もあるかもしれないが、果たして本当にそれほどの戦力だったのか否かは、監督がどう判断していたかも含めて考えなくてはいけない。

 オジェック監督はメンバーをほぼ固定して戦い続けていた。つまり、主力が抜けた場合、戦力がダウンすることは否めないと考えていたのではないか。実際、リーグ戦もメンバーをほとんど変えずに戦っていたし、主力選手に疲労が蓄積したこともあって、ACLのタイトルは取ったものの、リーグ優勝は惜しくも逃してしまった。

 オジェック監督はFWワシントンを休ませていればよかったのか? では、当時の浦和にワシントンと同等クラスのストライカーがいたのか? あるいはポンテを休ませたいといっても、ポンテと同じぐらいの実力のMFがいたのか? 少しコンディションが落ちていても、彼らよりいいパフォーマンスをする選手がいない。そう判断したから、オジェック監督は主力を先発から外すことはしなかったのだと思う。

 結局、オジェック監督はリーグ優勝を逃したが、ACLでは優勝した。その選手起用について、「ターンオーバーをしないから2冠を逃した」と、論争にもなった。ただし、「ターンオーバーをして先発を代えていたらACLのタイトルは取れなかったかもしれない」ということはあまり言われなかった。

 たしかに、僅差でリーグ優勝を逃した当時の浦和は、主力が疲れていたから最後に失速したと考えることもできる。実際、ポンテやワシントンら主力はずっと試合に出続けていたので疲れていたはずだ。しかし、同じメンバーをずっと起用し続けることで、連係面などが成熟するというメリットもある。だからこそ、ACLで優勝できたということも見落としてはいけない。

 オジェック監督としては、主力以外の戦力を先発に使ってACLもリーグも勝てるとは思えなかったということなのだと思う。つまり、もし選手を入れ替えてターンオーバーをするべきと主張するなら、オジェック監督が納得して起用しようと思うだけの戦力をクラブが準備しなければいけなかった。

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