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【Jリーグ】天皇杯でも優勝。J2王者FC東京がJ1で躍進する可能性 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 昨年、柏が史上初のJ1昇格年での優勝を果たしたが、2位名古屋グランパスとの勝ち点差はわずか1。ACLを並行して戦わなければならなかったリーグ戦序盤に、名古屋の取りこぼしがなければ、史上初の快挙も起こらなかったかもしれない。ACLに出場していたか否かが優勝の行方を左右したと言っても、過言ではないのである。

 だが、U-20代表監督やA代表コーチなど、日本代表スタッフとしての経験も豊富な大熊監督は、そんな後ろ向きの考え方に耳を貸そうとはしない。

「ACLを経験することで力もつくし、タフになる。確かに目先のスケジュールだけを考えれば厳しいかもしれない。でも、それを越えたときに、チーム、選手の力になる。少なくとも、そう思ってやらないと、日本のサッカーは成長しないから」

 FC東京は今年、J1昇格1年目にしてACLに出場するという、前例のない戦いに挑む。

 簡単にクリアできる関門でないのは確かだが、それでも、このチームなら何かやってくれるのではないか。FC東京が天皇杯で見せた戦いぶりは、そんな期待を膨らませてくれるにふさわしいものだった。

 大熊監督は現場を離れてGM職に就くことが有力で、こうした心意気を持った人物がクラブ内にとどまってくれるというのは心強い限り。大熊イズムとでも言うべき心意気を、今年のFC東京の戦いぶりにも、ぜひとも見たいものである。

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