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サッカー日本代表はどこへいく 識者は森保一監督続投とその後の大岩剛監督就任発表をどう見たか (7ページ目)

 もっとも、森保サッカーと大岩サッカーは水と油と言いたくなるほどの関係にある。前者が守備的なら後者は攻撃的だ。後方で守る森保サッカーに対し、大岩サッカーは高い位置からオーソドックスにプレスを掛けに行く。布陣も大岩監督は4-3-3がメインで、森保式5バック(3-4-2-1)では絶対に戦わない。

 これでも継承なのか。疑問に包まれたまま、会見は終わろうとした。だが、その最後の最後になって、山本氏はこうつけ加えた。

「この継承には戦術は含まれません。大岩監督には大岩監督の色を出してもらって......」

 継承って何だ。波風を立てず、議論しない日本サッカー文化の継承ということなのか。

 山本氏は森保サッカーの成果として「世界の列強と互角に戦えることを証明した」とし、固い守備を挙げた。「世界の強豪を相手にしても守りきることができるチームを作った」と。都合のいい解釈にもほどがある。「守りきれなかった」の間違いではないか。「守る」の定義がそもそもあやふやだ。後方に人数を割いて低い位置で守るのか。高い位置から攻撃的に守るのか。これも欧州では大激論になった。

 何も語ろうとしない日本は、2026年ワールドカップで、スペインとは対極のサッカーを披露した。森保監督はどんなサッカーで向こう7カ月間、日本代表の指揮を執るのかは見えないままだ。物事をあえてウヤムヤにし、やり過ごそうとする日本サッカーの縮図をそこに見ることができる。これでは100年経っても優勝は難しい。進歩を鈍らせている理由が筆者にはハッキリと見える。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

  • 浅田真樹

    浅田真樹 (あさだ・まさき)

    フリーライター。1967年生まれ、新潟県出身。サッカーのW杯取材は1994年アメリカ大会以来、2022年カタール大会で8回目。夏季五輪取材は1996年アトランタ大会以来、2020年東京大会で7回目。その他、育成年代の大会でも、U-20W杯は9大会、U-17W杯は8大会を取材している。現在、webスポルティーバをはじめとするウェブサイトの他、スポーツ総合誌、サッカー専門誌などに寄稿している。

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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