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サッカー日本代表に「手負いの虎」がすべてをかけて襲いかかる チュニジア監督電撃交代、衝撃の舞台裏 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Akiko Tonegawa

【決勝戦に等しい日本戦】

 仕上げに、ヤニスはスウェーデン戦の最中、スタンドのチュニジア人サポーターと激しく口論を開始。下品なジェスチャーを繰り返し、チュニジア文化やチュニジア国民を侮辱する暴言を吐いたという。フランス生まれのヤニスによるこの行動は、チュニジア国内で大炎上を巻き起こす。

 現在のチュニジアは政治的にも社会的にもデリケートな時期にあり、アメリカまで応援に来ている国民は、大金と大きな犠牲を払っている。にもかかわらず、監督の甘ったれた息子が国民を侮辱したとあって、怒りは爆発し、首都チュニスのサッカー連盟本部前ではラムシの解任を求めるデモまでが巻き起こった。

 このニュースは政府の要人たちの耳にも届いた。青年スポーツ省は、チュニジアの国際的イメージが損なわれることも懸念し、サッカー連盟トップを呼び出した。上層部からの指示は簡潔だった。

「ただちにラムシを解任しろ」

 こうしてラムシはその日のうちに解任。今年の1月14日に就任し、わずか5試合を指揮しただけでベンチを去った。

 後任はフランス人のエルヴェ・ルナールだ。ザンビア代表、コートジボワール代表をアフリカ王者へと導き、ほかにもアンゴラ代表、モロッコ代表、フランス女子代表、サウジアラビア代表などを指揮してきた経験豊富な名将である。前回のカタール大会ではサウジアラビアを率いてアルゼンチンを破っている。

 監督が代わったばかりのチュニジアが最初に戦う相手、それが日本だ。チュニジアは心理的にも戦術的にも極めて厳しい状況に置かれているだろう。しかしこの試合は、彼らにとって決して負けることのできない一戦となる。日本に敗れればグループステージ突破はほぼ絶望的、引き分けでも厳しい状況は変わらない。必要なのは勝利だけ。いわば彼らにとっては決勝戦にも等しい。

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