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サッカー日本代表に「手負いの虎」がすべてをかけて襲いかかる チュニジア監督電撃交代、衝撃の舞台裏 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Akiko Tonegawa

【惨敗は解任理由のひとつにすぎない】

 スウェーデン戦で起きたことは、監督の判断に対する選手たちの答えだった。チュニジアのプレーは衝撃的だった。選手たちは走らず、指示に従わず、ピッチの中央や互いの間に大きな穴を開けた。その結果がスウェーデンに1-5の歴史的大敗。直前のベルギー戦も含めれば、わずか2試合で10失点したことになる。

 チュニジアはワールドカップアフリカ予選の全10試合を無失点で突破した堅守のチームである。それがまるで紙のように崩壊した。特にGKムヒブ・シャマフとキャプテンのMFエリス・スキリによる信じられないミスが相次いだ。チュニジアメディアは「あまりにも奇妙だ」と首をかしげ、監督の横暴さに対する無言の抵抗として選手たちが「戦術的ボイコット」を行なったのではないかとさえ言われている。

 だがスウェーデン戦の惨敗は、山のようにある解任理由のほんのひとつにすぎない。問題はほかにも多々あった。金銭問題、越権行為、そして度重なる侮蔑??。

 地元メディアの報道によれば、ラムシ監督は代表合宿の場を、まるで自分の家族や友人のためのリゾートであるかのように使っていた。選手たちには面会禁止という極めて厳しい規制を課す一方で、監督の親族たちはホテルの立ち入り禁止区域を自由に出入りし、チームと食事をともにし、移動にはチュニジアサッカー連盟のチャーター機まで利用していた。さらにその費用は代表の経費に加算されていた。これを暴いた記者たちは「公金横領に近い」と非難している。

 このスキャンダルの中心人物は、監督の20歳の息子ヤニス・ラムシだ。彼には公式な役職は何ひとつないにもかかわらず、チームの内部に入り込み、練習では常にピッチ脇におり、果てはチームの公式の集合写真にも写り込んでいる。息子にかかる費用は監督自身が負担すると約束していたという話もあるが、とにかくこれらが明るみに出ると、ラムシへの不満が噴出した。

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