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サッカー日本代表のオランダ戦で上回った中盤の優位性 鎌田大地がデ・ヨングより高評価の理由 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

 過去20年、日本代表がワールドカップでベスト16に躍進した大会では、中盤がうまく攻守の舵を取っていた。2010年南アフリカ大会は遠藤保仁、長谷部誠(アンカーに阿部勇樹)、2018年ロシア大会は長谷部誠、柴崎岳、2022年カタール大会は遠藤航、守田英正。それぞれタイプの異なる選手同士が能力を補完し、チームの律動を生み出していた。守備面の強固さを担保しつつ、1本のパスで流れを変え、リズムを作れるコンビだ。

 鎌田も完全無欠ではない。たとえばオランダ戦も、局面のディフェンスでの強度はそこまでなく、プレスバックは弱かったし、ピンチも誘発していた。3人に囲まれながら圧巻のキープを見せたが、前田が重なってきてボールを失う形で"あわや決定機"ということもあった。体力的には終盤に入ると息が上がっていた。

 しかし、鎌田が中盤で森保一監督のコンセプトを体現していたのは間違いない。所属するクリスタル・パレスが同じようなシステムを運用し、カンファレンスリーグに優勝したのもアドバンテージなのだろう。いつ左ウイングバックの中村が有利になり、どうすればワントップの上田がシュートに持ち込めて、どこでシャドーの久保を使えばいいか。それらを彼が心得ているのは、森保ジャパンにとっては僥倖だった。

 チュニジア戦はうって変わって日本がボールを持つ展開になるだろう。だからこそ、鎌田の真価が問われる。スペクタクルなパスで堅牢な守備を崩し、際どい勝負をものにできたら――。大会屈指のプレーメイカーに名乗りを上げるはずだ。


 

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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