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サッカー日本代表の「史上最強」を検証 大敗した2006年大会からの20年でブラジルとの「差」はどれだけ縮まったのか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

【「勝てるかもしれない」という錯覚】

 ブラジル戦に話を移そう。

 前半34分、筆者は記者席で玉田圭司が左足で叩き込んだ先制のゴールに熱狂したのを今でも覚えている。中田が玉田に縦パスをつける。これを落とすと、稲本がダイレクトで左サイドの三都主アレサンドロへ。三都主が中に切り込み、玉田が大外からインサイドを走ってスルーパスを受けると、左足を振り抜いた。

〈勝てるかもしれない〉

 当時、筆者はそう胸を躍らせたのを覚えている。

 しかしいま振り返ると、ひどい錯覚だった。知見が乏しく、洞察力がなかったのだろう。勝てるはずはなかったのである。

 日本は開始からわずか20分で、少なくとも4、5回もの決定機をブラジルに作られていた。どれも川口がスーパーセーブで防いだが、守備は完全に崩されており、無失点は僥倖にすぎなかった。

 そして前半終了間際には、呆気なく同点にされてしまう。シシーニョのヘディングでの折り返しを、ロナウドにヘディングで叩き込まれた。マーカーの中澤佑二は完全に背中を取られていた。「クロスは中澤がヘディングで跳ね返してくれる」というのも、都合のよい思い込みだった。

 後半に入っても、日本は川口だけは目立っていたが、それだけ一方的に攻められている証だった。ジュニーニョに30メートル近いロングシュートをブレ玉で決められると、簡単に逆転される。さらにロナウジーニョに手玉に取られ、スルーパスを受けたジウベルトに左足で逆サイドへ突き刺される。仕上げに再びロナウドに反転からのシュートを放り込まれた。

 1-4での黒星は、映像を見直すと1-10になってもおかしくないくらいの大敗だった。後半途中、ブラジルは次々と主力が交代した。GKまでお役御免にするほど、屈辱的な実力差だった。

 たとえばFWの巻誠一郎はイビチャ・オシムの申し子として期待されたが、ファイトするだけでは越えられない壁があり、現実を突きつけられていた。ポストプレーができずにボールを失い、ヘディングで競り負け、シュートはバーのはるか上へ打ち上げた。ロナウドと比べるのはナンセンスだろうが、試合前に勝負はついていた。

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