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サッカー日本代表の選手層の厚みを福田正博は実感した 急成長している佐野海舟に注目 (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro

【GK早川友基の2試合連続起用】

 底上げという観点に立つと、今回の2試合ではGKに早川友基を起用した。正GKの鈴木彩艶が故障のため招集外となり、これまで代表に名を連ねてきた大迫敬介や谷晃生も代表活動期間と重なった天皇杯との兼ね合いから未招集。そうしたなか、7月のE-1選手権から日本代表に選出されてきた早川が出場機会を手にした。

 今回の強化試合でもっとも驚かされたのは、早川を2試合連続で起用したことだ。早川がガーナ戦に出場したので、次のボリビア戦では初招集したパリ五輪代表の正GK・小久保玲央ブライアンか、鈴木の代わりに追加招集した野澤大志ブランドンを起用するものだと思っていたからだ。

 それがボリビア戦でも早川をピッチに送り出した。この采配に、森保一監督のなかでの早川への期待の大きさを垣間見た気がした。Jリーグで首位を走る鹿島アントラーズの立役者である早川に、限られたチャンスのなかで国際経験を積ませておきたかったのだろう。裏を返せば、それくらい期待しているということだ。もちろん、鈴木が故障から復帰すれば、早川の日本代表メンバー入りが叶っても出番がない可能性は大きい。だが、不測の事態への備えをするうえで、早川の名は森保監督のなかで大きくなっているのではと思う。

 日本代表の2025年はアジア最終予選を含めて13試合で8勝3分2敗。6月からは新たなメンバーを招集しながら戦い、さまざまな組み合わせを試してきた。1試合ごとの出来、不出来はあるにせよ、間違いなく選手層は厚みを増している。12月5日(日本時間6日)、グループステージでの対戦相手がどこに決まろうとも、日本の未来を信じる気持ちが揺らぐことはない。そのくらいの準備をしてくれたのではないかと思う。

>>後編「三笘薫、守田英正も危ない!? W杯本番のメンバーは?」につづく

著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

【画像】サッカー日本代表2026年ワールドカップのメンバー予想/フォーメーション

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