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サッカー日本代表の選手層の厚みを福田正博は実感した 急成長している佐野海舟に注目

  • text by Tsugane Ichiro

福田正博 フットボール原論

■サッカー日本代表が11月の強化試合でガーナ、ボリビアに連勝し、2025年の活動を終えた。福田正博氏の評価は?

【ガーナ、ボリビアに勝ちきったのは大きい】

 日本代表は11月の強化試合でガーナ代表に2-0、ボリビア代表に3-0で2連勝した。2025年の代表活動を勝利で終えたことはすばらしいし、来年のW杯を見据えた時に確実に勝ち点3を奪いたいレベルの相手に対し、しっかりと勝ちきった意義も大きい。

ガーナ戦で活躍した佐野海舟 photo by Nakashima Daisukeガーナ戦で活躍した佐野海舟 photo by Nakashima Daisukeこの記事に関連する写真を見る W杯のグループステージは、開催国3カ国と出場国のうちFIFAランク上位9カ国がポッド1。ポッド2以降はFIFAランク10番目から順次入り、欧州や大陸間のプレーオフを勝ち上がった国はポッド4に入る。

 FIFAランク18位でポッド2入りが決まっている日本は、ポッド1、ポッド3、ポッド4のチームとグループステージを戦う。ただし、同じアジア(AFC)のチームと同グループになることはないというルールがある。

 W杯ではポッド1の強豪国との対戦に焦点が当たりがちだが、日本が確実にグループリーグを突破するためには、ポッド3、ポッド4の相手から勝ち点3を奪うことが必須になるわけだ。

 その点において、ガーナはW杯ではポッド4入りが決まっている。ボリビアは南米予選7位で、来年3月の大陸間プレーオフの結果次第で本大会に駒を進められる。その時はボリビアもポッド4へと組み入れられる。

 つまり今回の強化試合は、W杯本番でも勝ち点3を確実にモノにしなければならない相手だったわけで、その2カ国に強化試合とはいえ確実に勝利した。これは素直に評価したい。

 惜しむらくは、ガーナはメンバー的に物足りなさがあった点だ。故障者などでベスト布陣を組めなかったのは仕方ないものの、W杯本番での対戦を想定して手の内を隠したかったところもあったのかと懐疑的になるほど、試合展開として日本に得られるものは少なかった。

 一方、ボリビアは点差以上(3-0)に内容では目を見張るものがあった。今回の南米予選でブラジルに勝利したのも頷けたし、南米予選やコパ・アメリカなどでブラジル、アルゼンチンといった強豪との対戦が日常化していると感じさせる、タフで賢い戦い方を見せてくれた。

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著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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