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サッカー日本代表のワールドカップまでのチェックポイント3つ ガーナ戦快勝も先送りになった課題とは (2ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【デュエルでガーナを上回る】

 こうしたポジティブ・トランジション(守備から攻撃への切り替え)とその後の速攻の威力を発揮させるためには、前からの守備を機能させる必要があるが、ガーナ戦の日本はその部分でも手応えを得た。特に前半は、敵将が「日本がハイプレスでくるのはわかっていたが、いいポジションが取れず、それを回避できなかった」と振り返ったように、ガーナにプレッシャーをかけ続けた。

 この試合では、引き続き両ウイングバック(WB)にアタッカーを配置する3-4-2-1を採用した日本に対し、ガーナも同じ布陣を採用。両WBにDFを配置していた点は異なるが、各ポジションがマッチアップするミラーゲームを挑んできた。

 W杯予選時は4-2-3-1を基本布陣としていたガーナだが、「今日はほとんど一緒にプレーしたことがないメンバーだった」とアッド監督が語ったように、数多くの主力選手が不在だった影響もあったのだろう。

 いずれにしても、こうなると日本の守り方もシンプルだ。相手の3バックに対しては1トップの上田綺世と2シャドーの南野と久保が圧力をかけ、中盤は佐野と田中碧が相手のダブルボランチをマーク。WBを務めた右の堂安と左の中村はそれぞれ対峙する相手WBを、そして渡辺剛、谷口、鈴木の3バックはそのまま相手の1トップ2シャドーを捕まえた。

 両チームががっぷりよつで組むかたちとなったわけだが、この構図で優位に立つためには、当然ながら各選手が対峙する相手との1対1の局面で上回る必要がある。そこに焦点を当ててみても、この日の日本はデュエルで「59%対41%」、空中戦においても「72%対28%」の勝利率を記録など、本来アフリカ勢が最大の武器としている部分でガーナを上回ることができていた(SofaScore調べ)。

 特にこの試合で際立っていたのは、マン・オブ・ザ・マッチ級の活躍を見せたボランチの佐野と、相手唯一の主力選手であるセメンヨにまったく仕事をさせなかった谷口。ふたりは、試合後に敵将が名前を挙げて称賛するほどのハイパフォーマンスを披露した。

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