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谷口彰悟「サッカー人生のターニングポイント」となったブラジル戦「すがりついででも、ワールドカップのピッチに立ちたい」 (3ページ目)

  • text by Harada Daisuke

【不甲斐なさを感じた前半2失点】

 個人としては、あの状況では中にいる相手選手、すなわちゴール前にいる選手を警戒しなければいけなかった。ただ、優先順位としてはそちらが高かったとはいえ、失点した場面では自分と淳之介、ウイングバックの(中村)敬斗との距離感も遠かった。もう少し締める、絞らせる必要があったと省みた。

 また自分自身も、もう一歩、もしくは半歩でもカバーリングの距離を縮めていたら、最後の最後で足が相手のシュートに届いていたかもしれない、という思いもある。相手のレベルが高くなればなるほど、そうした一歩や半歩が大事になってくる。

 さらにスライディングにしても、もうワンテンポ前で滑っていたら結果は変わっていたのではないか。感覚的には防げた失点だと思うだけに、前回(第29回)で綴った課題を再び突きつけられる場面になった。

 32分に決められた2失点目も同様だ。1失点目と同様、ブラジルはあのスペースを狙っていたし、ウイングが外から中に斜めに入ってくる動きは、それ以前にも見せていた。

 だから、浮き球のパスで裏を取られた時も、やっぱり「ああいうパスを狙ってくるよな」という思いがあった。僕としては、これまた今の自分が向き合っている準備不足、予測不足が招いた結果だと感じた。

 前半で2失点を喫して、自分自身に対して不甲斐なさを感じたし、自分自身に「何をやってんだよ」と、悔しさを覚えた。それと同時に、「これ以上はやられるわけにはいかない」と、3バックはもとよりチーム全体に声を掛けた。

 2失点したとはいえ、ビッグチャンスを何本も作られていたわけではなかった。ただ、ここでバタバタと崩れてしまうと大量失点につながるだけに、0-2でなんとか耐えてハーフタイムを迎えようと気持ちを切り替えた。

 実際、ロッカールームに戻ると、チームメイトたちは悔しさを覚えつつ、戦えるという手応えも感じていた。僕自身も、僕らがボールを奪った瞬間の相手の寄せはかなり速いが、そこを抜けさえすれば、スペースもあるし、チャンスは作れる感覚があった。自分たちが目指す戦い方ができれば、ゴールをこじ開けられる。そう思っていた。

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