検索

サッカー日本代表の低調だったオーストラリア戦を分析 同じ失敗を繰り返したのはベンチワークがないからだ (4ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi

【ベンチワークで変化を生み出すべきだった】

 試合の構図もスタッツも、まさに前回対戦の再現となったわけだが、これをどのように受け止めるべきか。確かに勝敗は別として、日本が一方的に敵陣でボールを支配し、ほとんど相手にチャンスを与えなかったのだから、これをよしとするとらえ方もあるだろう。しかし、チームとしての進歩を考えるなら、同じ失敗を繰り返して何の進歩を見せられなかった、と考えるべきではないだろうか。

 残念だったのは、十分に予測できたはずの試合展開に対し、新しい選手のパフォーマンスチェックに重きを置いたのか、森保監督とコーチングスタッフが特に戦術的な対策や工夫を準備していなかったことだ。しかも、ボールは握れてもチャンスは作れないという試合は、前回対戦だけでなく、過去に何度も経験しているはず。

 そのなかで、選手のアドリブだけでは戦況を変えられないことも証明済みなのだから、やはりベンチワークで「変化」を生み出さなければ、5バックで引いて守る相手のゴールを仕留める確率を上げるのは難しいだろう。少なくともこの試合は、監督自らも公言するオプションの4バックシステムに変更して、戦況の変化を探る絶好の機会だった。

 出場チームが12も増加する来年のW杯では、おそらく日本はグループリーグで格下と対戦する。その時、オーストラリア戦で得た課題にもっと取り組むべきだったと後悔しないためにも、今回の試合を水に流すべきではないだろう。

2025明治安田Jリーグ、セリエA、ラ・リーガ、リーグ・アン、ベルギーリーグ
W杯アジア最終予選、ヨーロッパ予選はDAZNで全試合ライブ配信!
DMM×DAZNホーダイ」なら1,270円お得!

>>> DMM×DAZNホーダイ に今すぐ登録 <<<

U-NEXTでプレミアリーグ、ラ・リーガ、FAカップやコパ・デル・レイなど配信
下記リンクよりお得に「サッカーパック」を視聴!

>>> 「U-NEXT サッカーパック」をいますぐチェック <<<

著者プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

【画像・布陣】あと1年! サッカー日本代表2026年ワールドカップのメンバー予想【フォーメーション】

4 / 4

キーワード

このページのトップに戻る