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サッカー日本代表選手の移籍は「ワールドカップ前シーズンの難しさ」がある 福田正博が指摘 (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro

【鈴木彩艶の活躍は大きい一歩】

 最後にセリエAのパルマでGKとして圧倒的なパフォーマンスを残した、鈴木彩艶について触れておきたい。38試合中37試合に出場して、53失点。もちろん失点はGKだけの責任ではないのだが、この失点した分だけ鈴木彩艶が「ああしていたら防げたかも」と考えることで、彼を飛躍的に成長させたと思う。

 なにより、日本人GKが世界トップレベルのリーグで守護神を任された。これからの日本サッカーにとっては心強い限りだ。遠藤航がプレミアリーグで日本人には無理だと言われた守備的MFで道を切り開いたように、鈴木が成長を続けていけば彼に続こうとする日本人GKが現われる可能性がある。それくらい大きい一歩を鈴木は踏み出してくれた。

 2026年W杯は、2025-26シーズン終了後の6月から幕を開ける。このシーズンオフにステップアップ移籍を決断する選手が現われた時、そこには先述したようにチームで出場機会に恵まれなければ、W杯メンバーから落選するリスクもある。それくらい移籍というのは難しい決断だということを忘れずに、各選手たちがどんな決断を下すのかを見守ってもらいたい。

著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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