稲本潤一がイングランドで痛感した世界の壁 「ドログバは一番強烈。パワーと決定力は図抜けていた」 (4ページ目)
【かゆいところに手が届く選手】
── フィンク選手の特徴は、どんなところですか。
「どこが特化しているわけではないんですけど、バランス感覚に優れていて、かゆいところに手が届くような選手でしたね。いてほしい時にいてくれたり、帰ってきてほしいに時に帰ってきてくれたり、すごい気の利く選手だったと思います。これは個人的な感覚ですけど、ふたりで出た時の試合の勝率はよかったような気がしますね」
── 少しテーマとずれますが、海外クラブ時代に苦労したことはありますか。
「苦労を感じたことはないんですよ。トルコ時代も、(大都市の)イスタンブールにあるガラタサライだったので、不便はなかったです。
あれが違う都市のクラブだったら、また違ったかもしれませんが。僕の印象では、イスタンブール以外の街は何もなかったですから。今はもっと発展しているかもしれないですけど、アウェーで行った時にそう感じましたね。
イスラム教の国なので、毎朝コーランが流れてきたり、ラマダンがあったり、豚肉を口にしない文化があったり、これまでとは違う部分はたくさんありましたけど、それも含めてすごく楽しかったです。だから別に、ヨーロッパで苦しんだっていうのは特にないですね。サッカーはもちろん、いろんな文化に触れられて、いい経験ができたと思います」
(つづく)
◆稲本潤一【Jリーグ編】>>「わざわざジョルジーニョのほうにボールを取りに行った」
【profile】
稲本潤一(いなもと・じゅんいち)
1979年9月18日生まれ、大阪府堺市出身。1997年、ガンバ大阪の下部組織からトップチームに昇格し、当時最年少の17歳6カ月でJリーグ初出場を果たす。2001年のアーセナル移籍を皮切りにヨーロッパで9年間プレーしたのち、2010年に川崎フロンターレに加入。その後、北海道コンサドーレ札幌、SC相模原を経て、2024年に南葛SCで現役引退。日本代表として2002年から3大会連続でワールドカップ出場を果たす。国際Aマッチ出場82試合5得点。ポジション=MF。181cm、77kg。
著者プロフィール
原山裕平 (はらやま・ゆうへい)
スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。
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