U-20日本代表・市原吏音が気になる選手はバルサの18歳 「めちゃくちゃ身体的に強いわけでもないけれど...」
U-20日本代表/RB大宮アルディージャ所属
市原吏音インタビュー(後編)
◆市原吏音・前編>>「海外へ行くのなら、RB大宮から行きたい」
RB大宮アルディージャのアカデミーが生んだ最高傑作と言っていいCBが、世界の舞台を見据えている。プロ2年目の19歳・市原吏音である。
今年2月に行なわれたAFC U20アジアカップで、市原はキャプテンを務めた。ベスト4以上に与えられるU-20ワールドカップの出場権を獲得し、重責を果たしたのだった。
19歳の市原吏音が見据える次のステージは? photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る「欲を言うなら、アジアチャンピオンとして世界大会に出たかったですけれど。まず出られるっていうのが、自分らとしてはホッとしているというか」
U-20ワールドカップに、日本は現在3大会連続で出場している。かつては準優勝に輝いたことがあり、グループステージ突破も驚きではなかった。それだけに、出場権を逃すわけにはいかないというプレッシャーは大きかったのではないだろうか。
市原は黙ってうなずいた。
「プレッシャーはありました。めちゃくちゃありました。初めてというか、久しぶりだなっていうぐらい」
グループステージ最終戦の韓国戦で、日本は1-0とリードした後半終了間際に失点してしまう。その結果として韓国にグループ1位を譲ることとなり、準々決勝でイランと対戦することになった。
「イランは別グループを3連勝で突破してきて、『メチャクチャ強いぞ。俺ら大丈夫か』みたいな雰囲気があったんです。誰も口には出さなかったけれど、イランはけっこうやるぞ、という。
韓国戦の失点は自分の責任だったので、イランに負けてU-20ワールドカップに出られなかったら自分のせいだ......と思っていました。キャプテンも任されていたので、そういう意味でのプレッシャーはありました。だけど、いざ試合が始まるとそんなに重圧を感じることもなく、楽しめたかなと」
開始早々に先制されたものの、前半のうちに追いついた。その後は主導権を握る。だが、2点目が遠い。90分までに突き放すことはできず、延長戦でもゴールネットを揺らすことはできなかった。
「70分以降はずっと自分らの試合だったんで、押せ押せでギリギリ取れないみたいな展開って、ちょっと焦れるじゃないですか。ずっと攻めて点が取れず、カウンターかセットプレー1発でやられて敗ける......っていうパターンはサッカーではよくある。それは絶対なしにしよう、と。その話ができたのは、自分的にはよかったかなと思っていて」
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著者プロフィール
戸塚 啓 (とつか・けい)
スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専
門誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より 7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグ ワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本 サッカー』(小学館)