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U-20日本代表・市原吏音が気になる選手はバルサの18歳 「めちゃくちゃ身体的に強いわけでもないけれど...」 (4ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【ファン・ダイクは正直、参考にできない】

 戦いのステージを上げていくために、モデルにしている選手がいる。高校3年時はジョン・ストーンズとルベン・ディアス(ともにマンチェスター・シティ)の名前を挙げたが、現在はバルサのカンテラ育ちのCBが気になる。

「フィルジル・ファン・ダイク(リバプール)が好きなんですけど、彼はそもそもの能力が自分とは違いすぎるというか......大きくて、強くて、速いので、正直、参考にできないです。

 自分が参考にしているのは、パウ・クバルシ(18歳)です。身長は180cmちょっとで日本人に近くて、めちゃくちゃ身体的に強いわけでもないけれど、クレバーで準備が早く、パスもうまい。自分にとってモデルになる選手、プレースタイルが似ている選手、体格が近い選手はよく見ていますね」

 アジア予選突破後の3月に実施されたU-20日本代表のスペイン遠征に、市原は招集されなかった。今遠征は日本代表の国際Aマッチウィークを活用したもので、J1リーグは中断されるがJ2リーグは期間中も2試合が組まれている。J2クラブに所属する選手が市原を含めてひとりも選ばれていないのは、プレーするリーグのスケジュールにも理由があったと考えられる。

 本人もポジティブそのものである。「与えられた環境のなかで、自分のベストを尽くします」と、澄み切った声で話した。

 日本サッカーの未来を担うひとりとなるために──。大宮の勝利につながるパフォーマンスを見せ、U-20日本代表を牽引していく。

 19歳の瞳は、はっきりとした意志を持って今日の自分を見つめ、明日の自分を思い描くのだ。

<了>


【profile】
市原吏音(いちはら・りおん)
2005年7月7日生まれ、埼玉県さいたま市出身。大宮アルディージャのアカデミー(ジュニア→U15→U18)で育ち、2023年7月の天皇杯・セレッソ大阪戦でクラブ史上最年少18歳5日でのトップチームデビューを果たす。翌年トップチームに昇格し、いきなり副キャプテンに任命されてJ3優勝に貢献。日本代表歴は各カテゴリーで呼ばれ、AFC U20アジアカップ2025ではキャプテンとしてチームを牽引し、今年9月にチリで開催されるU-20ワールドカップ出場権を獲得した。ポジション=DF。身長187cm、体重81kg。

著者プロフィール

  • 戸塚 啓

    戸塚 啓 (とつか・けい)

    スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本サッカー』(小学館)

【図】サッカー日本代表 3月シリーズの予想メンバー

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