サッカー日本代表の3バックは行き詰まり サウジアラビア戦では本番を見据えた4バックを採用すべし (2ページ目)
【3バックが困難な理由】
ひょっとすると、メジャーリーグサッカー、ロサンゼルス・ギャラクシーでキャプテンを務めてリーグ王者に輝いたセンターバック、吉田麻也をリーダーとして戻すような荒療治も必要かもしれない。長友佑都の「ベテランの貢献」を期待して招集している余裕があるなら、後方からチームに檄を飛ばし、周りを感化させられる実力者のほうが必要だろう。
伊藤も、チャンピオンズリーグでベスト8のバイエルンの選手であることが嘘のように、森保ジャパンではフィットしていない。チーム戦術の不備で、やるべきことを見失っているのか。腰が引けて、判断が後手に回る。三笘との距離は遠すぎ、攻守が分断され、カタールW杯のコスタリカ戦の悪夢を思い出させた。時折、目が覚めたように鋭いロングパスを入れ、能力の片鱗も見せたが......。
サウジアラビア戦、森保ジャパンは4バックで戦うとどうなるか。
センターバックのふたりは、板倉と高井幸大を組ませる。川崎フロンターレの高井は卓越したキック&コントロールの持ち主で、攻撃的なサッカーを掲げるならサウジアラビアのような相手でこそ試したい。右のサイドバックは菅原由勢で、久保建英との連係は期待できる。左サイドバックはカタールW杯前までファーストチョイスだった(ひざのケガで離脱)中山雄太を抜擢。三笘もしくは中村敬斗の攻撃力を全力でバックアップしたい。
レバークーゼンの戦いを見ても、攻撃的3バックは、3人のみで相手を跳ね返せるような強力な守備力と、卓越したボールプレーという攻撃力が同時に求められる。率直に言って、森保ジャパンはそこまでの人材を3人も揃えることはできない。冨安健洋のような逸材もいるが、現時点では慢性的なケガで計算に入れられない状況なのだ。
3バックという看板でありながら5バックに流される戦いは、カタールW杯への回帰に近い。時計が進む現代サッカーで、それは後退を意味する。
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