サッカー日本代表で際立つ「大卒」選手 ただ、欧州トップ10クラブでプレーするために必要なのは? (2ページ目)
【大卒の選手が際立って多い日本】
谷口彰悟(筑波大)、長友佑都(明治大)、望月ヘンリー海輝(国士舘大)、関根大輝(拓殖大)、伊東純也(神奈川大)、守田英正(流通経済大)、三笘薫(筑波大)、旗手怜央(順天堂大)、大橋祐紀(中央大)、上田綺世(法政大)。
サウジアラビア戦、オーストラリア戦の代表に招集された27人のなかで、大卒の選手は10人を数える。日本の常識に従えば特筆すべき話ではない。他の競技では当たり前かもしれない。プロ野球には大卒のみならず、社会人経由の選手もいる。
しかし、サッカーの世界ではこれは異常なほどの超高学歴集団になる。大卒が37%を占める代表チームは、世界広しといえども、日本ぐらいだろう。
大学を卒業してJリーグに入り、2年ほどプレーし、活躍が認められてから欧州に渡る。守田、三笘、旗手らがこのパターンになるが、そうした手順を踏んでいるとアッという間に25歳ぐらいになる。サッカー選手の選手寿命は、ひと頃よりだいぶ延びたとはいえ、30歳を過ぎればベテランの域に入る。30歳を迎えてもマックス値を次々に更新する大谷翔平がいる野球とはやはり一線を画すのである。右肩上がりを示す期間が短ければ、市場価値はそれなりに下がる。
今季、サンフレッチェ広島からチャンピオンシップ(イングランド2部)のブラックバーンに渡った大橋に至っては、現在すでに28歳だ。24歳なら前途洋々だが、28歳だと、どうしても行き止まり感を覚えてしまうのだ。
欧州で大卒選手を探すことは難しい。大卒として知られる一流選手は、現レバークーゼン監督のシャビ・アロンソぐらいだろう。その彼にしても大学生兼レアル・ソシエダでプレーするプロ選手だった。
「日本の常識は世界の非常識」の、これは典型的な例である。欧州組になった途端、その特異性は露わになる。ビッグクラブに上り詰めることができても、その座を維持する期間は限られる。大卒選手にとってはCLに出場することがせいぜいだろう。いまや選手のステイタスを示すバロメーターとなったCL出場回数は、これでは伸びない。一流の証である通算100試合出場には達しない。
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