サッカー日本代表のエリート守護神・大迫敬介が味わった挫折「移籍しようとも考えた」 (5ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

【キーパーに最も求められる資質とは?】

── ハイラインを敷く今の広島のサッカーだと、そういった機会も多いのではないでしょうか。

「そうですね。だけど、1対1には自信があるので、味方にもそういう状況になったら任せてくださいと言っています。自分たちのスタイルは前から行くので、必然的にゴールキーパーの仕事は増えてきますが、そのぶん、やりがいは大きいですよ」

── 現代サッカーにおいて、ゴールキーパーに最も求められる資質は何だと思いますか。

「チームのスタイルにもよると思いますけど、自分たちのチームに当てはめて言えば、やっぱりシュートストップと1対1だと思います。それこそ数的不利の状況で守らなければいけないシーンも多いですから。

 たとえば、カウンターを浴びた時、ディフェンスが2枚で相手が3枚の状況だった場合、普通は味方に対して2対2の状況に追い込むような指示を出すんですけど、僕は自分を含めて3対3と考えて、 余ったひとりに対しては僕が行くという話を味方にはしています。

 だから個人の対応力だったり、1対1でシュートを止める能力っていうものは、自分たちのサッカーでは間違いなく不可欠な要素だと思います」

(後編につづく)

◆大迫敬介・後編>>正GKの座を争うライバルたち「生まれ持った身体能力を言い訳にしたくない」


【profile】
大迫敬介(おおさこ・けいすけ)
1999年7月28日生まれ、鹿児島県出水市出身。サンフレッチェ広島ユース出身で2018年にトップチーム昇格を果たす。プロ2年目にして正GKのポジションを掴み、2024年より背番号1を引き継ぐ。日本代表はU-16から各カテゴリーで招集され、19歳の時2019年6月のチリ戦でA代表デビュー。日本代表Aマッチ8試合出場(2024年8月末時点)。ポジション=GK。身長188cm、体重87kg。

著者プロフィール

  • 原山裕平

    原山裕平 (はらやま・ゆうへい)

    スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。

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