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サッカー日本代表にパリオリンピック世代は割って入れるか 福田正博が期待の選手は?

  • text by Tsugane Ichiro

福田正博 フットボール原論

■サッカー日本代表は、9月5日から2026年のワールドカップ出場をかけた、アジア最終予選に臨む。来年6月まで続く本予選では、パリオリンピックでプレーした選手たちがメンバーに割って入り、チームを活性化できるかが重要だ。福田正博氏にA代表で活躍してほしい期待の選手を挙げてもらった。

【細谷真大には上田綺世と1トップを争ってほしい】

 U-23日本代表は、パリ五輪準々決勝でスペインに0-3で敗れた。結果は真摯に受け止めなければならないだろう。オーバーエイジを使わなかったことも今後の課題として残った。ただし、選手個々で見ると、A代表へのステップアップを期待したくなる選手がいた。

サッカー日本代表にパリオリンピックのメンバーたちは入っていけるか photo by JMPAサッカー日本代表にパリオリンピックのメンバーたちは入っていけるか photo by JMPAこの記事に関連する写真を見る まずは細谷真大(柏レイソル)だ。オリンピックの舞台でも、本来持っている力をしっかりと発揮した。先発出場したグループステージ1戦目、2戦目では得点を決められなかったが、チームのためにしっかりと働いてくれたし、途中出場した3戦目のイスラエル戦では勝負を決めるゴールを奪った。スペイン戦でも判定に泣かされたが、幻のゴールを含めて細谷らしいプレーを随所に見せてくれた。

 細谷のよさはDFラインの裏に抜けてのプレーやフィニッシュワークにあるが、苦手にしてきたポストプレーでも格段の成長を遂げている。いまや海外の屈強なDFを背負ってもボールをしっかり収めてくれるのは心強い。

 日本代表にとってポストプレーというのは不可欠なものだ。体を張ってボールを収めて攻撃への基点となることで、両ウイングや2列目の選手たちの特長を生かせるからだ。ただ、これまでを振り返ると、大迫勇也(ヴィッセル神戸)が1トップを張った時代に長らく代わりがつとまる選手がいなかった。いまは上田綺世(フェイエノールト)がようやく成長してきたが、細谷への期待も高い。

 身長178cmと格段に大きいわけではないが、フィジカルの強さがある。スピードもあって、ポジション取りも長けている。あとは海外選手と対戦する数をもっと増やし、そのなかで経験値を高めていければ、日本代表に不可欠な選手になる可能性は高いだろう。

 すでにA代表でのプレー経験はあるが、ここからはチームにしっかり定着してもらいたい。細谷と上田が刺激し合いながら成長をしていけば、日本代表のレベルを押し上げることになるはずだ。

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著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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