サッカー日本代表GK大迫敬介がライバルを語る「生まれ持った身体能力を言い訳にしたくない」 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

【川口さんや川島さんのような存在に】

── 去年は浦和レッズに次いでリーグに2番目に少ない失点数でしたが、今年はその数が少し増えています。ゴールキーパーひとりの問題ではないですけど、そこに関してはどう受け止めていますか。

「めちゃくちゃ責任を感じています。自分が直接的に絡んでしまった失点も多かったですから。それがなければ失点はもちろん減っていましたし、 勝ち点はもっと増えていたはずです。ただ、去年もそうですけど、終盤にクリーンシートが増えたので、今年もここからもう1回巻き返して、クリーンシートの数をもっと増やしていきたいです」

── 今年、最も意識していることは何ですか。

「今、指摘されたところです。昨年よりも失点が多くなっていると感じているので、とにかく失点を減らす、失点を与えないというところをもう一度、重視しないといけません。

 攻撃の起点になることも重要なテーマですけど、自分の仕事は何かと考えれば、やっぱり点を与えないこと。最少失点に抑えれば、必ず味方が点を取ってくれますから。ゴールキーパーの役割が増えていますけど、原点に帰ればそこを徹底することが一番チームに貢献できることだと、最近あらためて思うようになりました」

── 現在のサンフレッチェ広島は、リーグ、ルヴァンカップ、天皇杯と、すべてのタイトルを獲得できる可能性を残しています。

「そうですね。すべてのタイトル獲得の可能性がありますし、9月からはACL2も始まるので、タイトなスケジュールになると思います。だからこそ自分が後ろでどっしりと構えて、チームに安心感をもたらせるような存在にならなければいけない。堅い守りを築くことで、タイトルに近づいていくと思います」

── 9月からはワールドカップのアジア最終予選も始まります。こちらの活動にも加われば、さらに多忙となりますね。

「そこに入るのが一番の目標なので、そのためにはチームでいいパフォーマンスを続けていきたいです。前回大会の最終予選はテレビで見ていましたけど、最初はかなり苦戦しましたよね。今回の対戦相手を見ても強い相手ばかりなので、今までの予選とは全然違うレベルになると思いますけど、経験のある選手もたくさんいますし、ひとつひとつの試合をチームとしてまとまりを持って戦っていきたいと思っています」

── 大迫選手が目指す未来像はどういったものですか。

「まずは『代表にずっと入り続けたい』というのはあります。あとは『日本の守護神と言えば大迫』と言ってもらえるような存在になりたいですね。僕のなかでの日本の守護神は、川口能活さんだったり、川島永嗣さんだったんですけど、僕もそういう存在になれるように、さらに成長していきたいです」

<了>


【profile】
大迫敬介(おおさこ・けいすけ)
1999年7月28日生まれ、鹿児島県出水市出身。サンフレッチェ広島ユース出身で2018年にトップチーム昇格を果たす。プロ2年目にして正GKのポジションを掴み、2024年より背番号1を引き継ぐ。日本代表はU-16から各カテゴリーで招集され、19歳の時2019年6月のチリ戦でA代表デビュー。日本代表Aマッチ8試合出場(2024年8月末時点)。ポジション=GK。身長188cm、体重87kg。

著者プロフィール

  • 原山裕平

    原山裕平 (はらやま・ゆうへい)

    スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。

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