久保建英を活かす攻撃陣の組み合わせが日本代表の課題 ポストプレーヤー不在も問題だ (2ページ目)
【問題は攻撃陣の組み合わせ】
ノエビアスタジアム神戸に2万6529人の観衆を集めて行なわれたチュニジア戦は、なにより終わり方が悪かった。後半の追加タイム。MFハムザ・ラフィアーのクロスボールに反応したFWハイセム・ジュイニのヘディング弾が、ポストではなく枠内に収まっていれば、終わり方の悪さはスコアに反映されていた。
4-1で勝利したカナダ戦からの流れに従えば、尻すぼみの印象だ。カナダ戦後のような興奮はない。今回招集した26人のなかではベストメンバーと思しき11人で戦ったにもかかわらず、だ。
カナダ同様、チュニジアは前半、受けて立った。5バックで後方を固める作戦で日本に対峙した。後半、リードされると布陣を4-2-3-1に変え、オーソドックスな戦い方に変えた。前方に多くの人数を割きながら圧を掛けると、日本の攻撃は散発になっていった。
最終盤はチュニジアのほうが優勢で、日本をよくない終わり方に導いた。これがW杯本大会の2戦目とかで、3戦目以降が狭い間隔で迫っていたら、いまごろ日本は相当に気持ちの悪い状態に置かれているだろう。
繰り返すが、選手個々の出来は悪くなかった。最大の問題箇所は攻撃陣の組み合わせにある。
4-2-3-1で臨んだ日本は前の4人(3-1)を以下のように並べた。3=旗手怜央(左)、久保建英(1トップ下)、伊東純也(右)。1=古橋亨梧(1トップ)。
伊東には問題がなかった。あえて言うなら酷使されたことぐらいだ(2試合トータルの出場時間=162分)。
一番は久保のポジションと1トップとの関係になる。まず身長から。古橋が170cmで、久保は173cmだ。世界の標準からすると、小柄なコンビだ。
対するチュニジアのセンターバック(CB)3人が185cm(ウサマ・ハダディ)、190cm(オマル・モンタサル・タルビ)、189cm(ヤシン・メリアハ)と比較すると、まさに大人と子どもである。
古橋はそれでも先制点を決めた。前半43分、旗手が伊東に出したパスが相手に当たり、コースが急変したところを鋭く反応。古橋らしい俊敏な動きからシュートに持ち込んでいる。
その時、古橋と近距離で構えたのは左ウイングの旗手だった。久保はそのひとつ前で守田英正のパスを右に流れながら受けている。
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