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久保建英を活かす攻撃陣の組み合わせが日本代表の課題 ポストプレーヤー不在も問題だ (3ページ目)

  • 杉山茂樹●取材・文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

【久保建英の適正は1トップ下ではない】

 この先制点のシーンがそうであったように、久保が古橋を1トップ下の位置で、近距離からサポートする機会は少なかった。チュニジアの大型CB3人の前で、170cmの古橋が1人で対峙する構図に、バランスの悪さを覚えずにはいられなかった。

 相手ボールに転じた時、日本は4-2-3-1を4-4-2に組み替えて対応する。久保は2トップの右FWとして相手に圧力を掛けにいく。だが、その右寄りのポジショニングは、マイボールに転じても変わらない。1トップ下にポジションを取らず、右サイドに流れようとする。

 その「流れる」は、悪く言えば「逃げる」だ。1トップ下の居心地の悪さに堪えかねた結果だ。久保は大きな選手を背にした動きが苦手だからだ。身体の小ささに加え、ボールの持ち方も輪を掛ける。

 誰にもわかる左利きだ。格闘技で言うところの半身で構えながらプレーする。360度の世界(真ん中)でプレーすると進行方向を悟られやすい特徴がある。だが久保が抱えるその問題はサイドに流れることで解消される。

 この動きから、ポジションの適性が真ん中にないことが見て取れる。左利きでも真ん中でプレーすることを苦にしない選手と言えば、現役ではアントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード)、引退した選手ではラウール・ゴンサレス(元レアル・マドリードほか)が代表的だ。久保は彼らではなくモハメド・サラー(リバプール)に近い。

 現状の適性は右ウイング。古橋とは良好なコンビネーションを築きにくい関係にある。

 1トップ候補は現在、ほかに浅野拓磨、上田がいるが、彼らとの関係も同じである。

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