田中碧の現在地 日本代表キャプテンマークを巻いたストイックな25歳が見据える先は (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

【田中碧が語るボランチのプレーについての考え方】

 この日の田中はボランチでプレー。トルコを相手に、いわゆるプレー強度、プレスのスピードなどで苦戦することもあり、ボールを奪いきれず、最終ラインをピンチにさらすこともあった。

 この日は伊藤敦樹とのダブルボランチ。伊藤の攻撃参加に対し、バランスを取る役割を担っていただけに、遠藤航や守田英正といった"守備職人"との違いが浮き彫りになった。

「守備に関しては最低限じゃないけど、戦うところだったり奪いきるところはより意識しているので、奪えることもあれば、逆に奪いきれなかったりもしました。

 特に後半になると、相手のメンバーが変わったのもありますし、僕自身の強度が少し落ちていくこともあったので、そこは反省材料。ああいうタフな相手に奪いきれるようにしていかないと」

 そう反省を口にし、ボランチのプレーについての考え方も明確にした。

「90分を通して、ボランチである以上、ボールを動かすことっていうよりも、そこ(奪いきること)は重要だと思う。2列目に攻撃的な選手がいる以上、その1個うしろでボールを奪えるというのは、カウンターも含めてチャンスになると思うので。そういう意味では、局面でボールを取るのはすごく僕自身に課していきたいなと思います」

 プレーの強度を高めるためには、どうしたらいいか。

「フルでどれだけ日頃からやれるかだと思います。その継続が最終的に、自分の成長につながる。球際の戦いで勝つ回数は増えていると思いますけど、それをいかに連続で、しかもそれを回数多くできるかは、特にボランチにとっては大事。そこの意識はより上げてかなきゃいけないと思いますね」

 自身の課題を強く感じる一方で、2連勝したチームの成長も感じている。

「(チームの成長の要因は)個々がより成長している部分もあると思います。自分もそこに追いつかなきゃいけないなと思いながら、半年がんばりたいなと思います」

 と、やや自虐的に話し、囲んでいる記者陣を笑わせた。

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