清水エスパルスから突如ブラジルに渡った松岡大起は今「いろんな面でタフになる。調整の仕方は日本とは違う」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by ©JFA/PR

「自分たちのチームは、すごく緻密にミーティングもかなりの頻度でやっています。どこのチームもやっているとは思いますけど、相手はどこがウィークで、どこがストロングなのかっていうのを、より細かく(分析を)やっているところはあります」

 松岡がそう語るグレミオ・ノボリゾンチーノは、現在ブラジル全国リーグの2部で首位。好調なチーム状態も、新参者の試合出場を難しくしているのかもしれない。

 松岡自身、「もちろんサッカー選手として、やっぱり試合に出ていないと難しい状況を日々過ごすことはある」と、現状が納得いくものでないことは認めている。

 だが一方で、そこに暗さはまったくと言っていいほど感じられない。「でも」とつないで、松岡が続ける。

「今は我慢の時期じゃないですけど、試合に出られていないこともプラスにとらえて、じゃあ試合に出るためにはどういうアクションをして、どういうマインドで、どういう準備の仕方をすればいいのかを学ぶじゃないですけど、Jリーグで出ていた時よりももっと研ぎ澄まさないといけないんだなって、より感じています。そこは自分自身、プラスの要素がすごくあるんじゃないかなと思って取り組んでいます」

 そして、「本当にブラジルのリーグは、すっごく難しいリーグだなって思います」と苦笑する松岡は、「でも、ここでやれたらどこでもやれるってことなんで」と、あくまでも前向きだ。

「練習試合でも、何部リーグのチームなのかわからない相手ともやるんですけど(苦笑)、それでも結構能力は高いし、『なんでこの選手、ここにいるんだろう?』って思う選手がたくさんいる。自分たちと同じ年代もいて、『この選手、日本だったら普通に(U-22)代表レベルなんじゃないかな』っていう選手がゴロゴロいたりするので。

 やっぱり自分自身も、もっともっと能力を上げないといけないなって日々感じますし、今やっていることが絶対自分の血となり、肉となると思うんで、しっかりやっていきたいと思います」

 もちろん、本人が「こうやって(U-22代表の試合で)ピッチに出ることで、やっぱり評価してもらえるところもあると思う」と話すように、こうしたU-22代表での活動もまた、所属クラブへの大事なアピールの機会となる。

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