玉田圭司が振り返る「今でも『最強』だと思っている」日本代表「個の強さ、うまさが抜きん出ていた」 (2ページ目)
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2006年ドイツW杯のブラジル戦で先制ゴールを決めた玉田圭司この記事に関連する写真を見る「アレ(三都主)とは、左利き同士で感覚が合うんです。あのボールの持ち方も、左利きの彼独特のものなんですが、だからこそ『パスが出てくるな』って思ったんです。
あと、巻がDFを引っ張ってくれたのも大きかった。シュートはボールを受ける際、GKを2回見て、位置を確認してから狙って打ちました。あの大会のあと、『あのシュートをもう1回打って』とよく言われるんですけど、なかなかできないです(苦笑)。
(自らのゴールを)あまり鮮明に覚えていないのは、感覚で動けたから。本当に、試合に100%集中していたから、とれたゴールだったと思います」
玉田の周囲には大きな歓喜の輪が生まれ、中田英寿は興奮した表情で玉田に抱きついた。
だが、幸せな時間はほんの一瞬だった。日本が先制すると、ブラジルは明らかにギアを上げてきた。玉田のゴールが"眠れる巨人"を起こしてしまったのだ。
「点が入る前から何点とられてもおかしくないぐらい攻撃されていましたけど、僕が点をとったことで、(ブラジルの)その攻撃はさらに火がついたような状態になりました。『点をとりにいくぞ!』『ロナウド、よろしく!』みたいな空気が流れて、ガラッとムードが変わりました」
日本はブラジルの分厚い攻撃に圧倒されたが、できればそれを凌いで、前半を1-0のまま終わらせたかった。しかし、ブラジルはそんなプランもあっさり粉砕。前半のアディショナルタイム、ロナウドがゴールを決めて同点とした。
「本物のストライカーは、点のとり方を知っている」
玉田は、淡々と喜ぶロナウドを見ながらそう思った。
後半はブラジルが出力をさらに高めて、日本はもはや成す術がなかった。ピッチにいた玉田は、「(ブラジルの選手は)みんな、うまいというより、怖い」と感じたという。
ブラジルの分厚い攻撃に日本は対応できないまま、次々と失点を重ねた。結局、1-4と完敗を喫して、グループリーグ敗退が決まった。
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