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吉田麻也「選手を入れ替えた難しさはなかった」。コスタリカ戦の敗戦に批判を承知で何を語ったか (2ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • photo by JMPA

 前半は、鎌田大地ら攻撃陣と守備陣の間で、試合の運び方や戦術面において、意識の違いがあるではないか、と思えた。カウンターを注意していたのだろうが、後ろが重く、中盤でボールを奪っても、山根視来らサイドバックは低い位置のまま上がってこなかった。

 そうしたプレーについて、鎌田が「前に出て」と声を荒げるシーンもあった。全体的にやろうとしていることの意思疎通が未達で、攻撃は単調単発に終わり、得点の匂いがほとんど感じられなかった。

 後半、森保一監督は上田綺世に代えて浅野拓磨を、長友に代えて伊藤洋輝を投入した。

「球際はもっと強くいかないといけないとハーフタイムに話をして、山根を高い位置に置いて変化を加えるようにしました。それでも、相手のブロックをなかなか崩せなかった」(吉田)

 ドイツ戦の再現を狙って3バックにして攻めに出たが、一瞬の隙を突かれてしまう。後半36分、吉田のクリアを守田がつなごうとしたが、相手に奪われ、失点した。

「僕のクリアも中途半端になってしまいましたし、その前のサイドのプレスも中途半端になってしまい、徐々によくないところが出てしまった」

 失点直後、吉田の表情からは落胆が読みとれた。残り10分をきり、相手の強固な守備を考えれば、その1点がどれほど重いか、想像できたからだ。

「そりゃ、失点すればガクッときますよ」

 吉田は、失点の衝撃を素直に語った。

 コスタリカはその後も集中力をきらさず、虎の子の1点を守りきったが、日本にとってもったいなかったのは、前半の戦いだ。ドイツ戦からメンバーを5人入れ替えたが、攻撃陣は鎌田以外、全員代わり、上田と相馬勇紀はこれがW杯初出場だった。W杯までの短い調整期間のなかで、彼らとの連係がどれほど深まっていたのか、疑問だ。

「W杯で勝ち進むうえでターンオーバーが必要だというのは、大会が始まる前から監督が何度も言っていますし、そのために全員が準備して、全員が同じンコンセプトを理解してきたので、選手を入れ替えたことでの難しさはなかった」

 試合後、吉田はそう語ったが、初出場した選手は周囲の選手とカチッとはまるような感覚はそれほどなかったのではないだろうか。ワンタッチでつなぐシーンはほとんどなく、複数の人数が絡んで崩す展開はあまり見られなかった。

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