サッカー日本代表、アメリカ戦はカタールW杯用に4-2-3-1で新戦術運用か。攻守に従来とは違う現象とデータ (4ページ目)

  • 中山 淳●文 Text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

4-2-3-1で新しい運用か

 日本の4-2-3-1が攻撃的に機能しなかったのは、ボール支配率にも表れている。ハーフタイム時のスタッツでは、日本の46%対アメリカの54%。試合終了後は43%対57%と、日本のボール支配率が低下した。

 したがって、シュート数では15本対6本と大きくアメリカを上回った日本ではあったが、決して相手を圧倒したわけではなかったことがわかる。そこが、この試合で抑えておきたい、もうひとつのポイントだ。

 つまり、今回採用した4-2-3-1の狙いは、ボールを奪ったら縦に速く攻撃するのを、主な狙いとした可能性がある。

 W杯で戦うドイツ戦やスペイン戦で日本がボールを支配する可能性は低いため、ボールを奪ったら、相手が守備陣形を整える前に攻めきってしまったほうが、確かに合理的と考えられる。

 アメリカ戦の4-2-3-1を従来の運用としてとらえるべきか、あるいは、同じ布陣でも新しい運用方法をインストールしたと考えるべきか。

 意図的だったのか、そうでなかったのかを含め、次のエクアドル戦で、森保ジャパンの本番に向けた基本コンセプトが、より明確に浮かび上がってくるはずだ。

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