吉田麻也の存在感はピッチ外でも。森保監督に進言、長谷部には「来てほしい」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 高須力●撮影 photo by Takasu Tsutomu

「ディテールを詰めてW杯へ」

 吉田は指揮官に対して相当、踏み込んだ提案をしているようだ。それもこれも、日本は総力戦で戦わないと、ドイツ、コスタリカ、スペインとのグループを勝ち抜き、決勝トーナメントに行くことはできないと思っているからだ。

「このチームは、監督がドーハ(の悲劇)を経験している人で、ワールドカップも、僕が3回目、(長友)佑都くんと(川島)永嗣さんが4回。いろいろな経験、失敗を糧に、ここまできているチームなんです。もちろん、外国人監督ほどのキャリアはないにせよ、それを補うためにみんなで力を合わせて......。

 今回も実際に長谷部(誠)さん来てもらってアドバイスをもらいましたが、日本全員総力で戦う、そういう意識でやっています。(2-0から逆転された前回ロシアW杯の)ベルギー戦の反省は当たり前で、それだけでなく、ブラジル大会とか、いろいろな過去の大会の経験を伝えて、(ネガティブなことが)起こり得るけれど、そうならないようにしようと話をしています。それが外から見た時にピッチの上でわかるくらい徹底する。ここから先、詰めていくべきはそういうディテールのところじゃないかな、と」

 残り2カ月、細かい部分に対してどう共通認識を持って試合に臨めるか。スキをいかにして埋めていくか。そういった作業を、選手同士だけでなく、監督にも提案しながら行なっているというのだ。

 吉田が言うように、今回の遠征で日本代表は、長谷部を臨時コーチ的にチームに招いている。南アフリカ、ブラジル、ロシアと3大会でキャプテンマークを巻き、フランクフルトでもいまだに頼られる存在であり続ける38歳から、話を聞く機会が設けられた。吉田にとって長谷部は、公私ともに親しくしている間柄でもある。

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