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藤田譲瑠チマに膨らむ期待。「パリ五輪世代」のW杯メンバー入りはあるのか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

「納得いくようなプレーができず、結果は6-0だったが、個人的にはもっとやらないといけないことがたくさんあるなと感じられた」

 本人の自己評価はかくも辛口だったが、攻守両面の数多くの局面でボールに絡む姿は、初代表の20歳であることを感じさせないものだった。

 当然、相手が相手だったことは、かなり割り引いて考える必要はあるだろう。

 それについては、藤田自身が「U-23アジアカップで対戦した韓国やウズベキスタンのほうが、少しレベルが高いと思った」と話しているとおりだ。

 だがその一方で、今大会(特に初戦)の日本代表には、実質ぶっつけ本番の急造チームだという情状酌量の余地もある。

 先のU-23アジアカップに出場したU-21日本代表には、それ以前の活動も含め、一緒にプレーしてきた選手が多く、「だいたい特徴がわかっていて、どこに(パスを)出すんだろうなとわかるので、先に動いて余裕を持ってプレーできた」と藤田。ところが、今回は「どこに出すのかわからないシーンが多く、後手を踏んで、(パスが出てから)リアクションで急いで動くことが多かったので、少し余裕がなかった」。

 相手が弱かったことだけを割り引くのは、フェアな評価とは言えないだろう。

「年齢が上の人とでも気負うことなくやれるのは自分のいいところ。今までやってきたことを今までどおりにやれればいいかなと思って入ったので、落ち着いて(試合に)入れたのかなと思う」

 そう語る藤田の姿は、少なくとも今後を期待させるものだったことは間違いないはずだ。

 もちろん、現実的に考えて、11月開幕のワールドカップでメンバー入りすることは、かなりの狭き門である。その可能性を数字で表せば、どう贔屓目に見ても10%以下だろう。

 しかし、18歳にしてJ2の東京ヴェルディでトップデビューを果たした藤田は、昨季、J1の徳島ヴォルティスへ"個人昇格"するや、今季はさらなるステップアップを遂げ、J1での2シーズン目にして早くも、優勝争いを繰り広げるクラブの主力ボランチとしてプレーしているのである。

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