楢﨑正剛はベルギー戦後、トルシエ監督にこっぴどく怒られた。「ケチョンケチョンに言われた。だけど...」

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

カタールW杯はファン目線

 あれから20年が経ち、楢﨑は指導者として後進の育成にあたっている。

 この20年でGKというポジションは、劇的な変化を遂げている。チーム内での重要度が増す一方で、世界で活躍できる日本人GKがいまだ生まれていない現実もある。

「僕が現役の頃と比べても、求められるものが多いですし、VARもあってちょっとしたことも見逃されない。大変な時代だなとは思います。でも、そういう時代だからこそしっかりと育成していかなければいけないと思っています。

 世界の大会で活躍しないと認められることはないと思うので、ワールドカップのような大きな舞台でチームを勝たせる、勝利に導くプレーを見せるGKが出てきてほしいですし、それがゆくゆくは日本のGK界の発展につながっていくと思います」

 今年開催されるカタールワールドカップは、日本のGKが世界にアピールできるチャンスだと楢﨑は考えている。

「ドイツ、スペインと対戦相手にワールドクラスのGKがいますからね。そういう選手と対峙しても、日本のGKが遜色ないと思われるようなプレーを見せてほしいですね。もちろん、ワールドクラスの壁をぶち破ってゴールを奪うアタッカーにも、いちファンとして期待しています」

---- ワールドカップは指導者目線ではなく、ファン目線で見る感じですか?

「もう、完全にファン目線ですね(笑)。関わっていればプレッシャーしかないですから。そのプレッシャーの大きさはわかってはいるので、余計なことは言いません。

 今は評論家もそうだし、元選手でもいろんなことを簡単に言っちゃうような風潮がありますけど、結局、中のことは中にいる人しかわからないし、中の人のほうが絶対考えていますから。その成果を結果として示してほしいですし、だからこそ、僕はポジティブに応援したいなと思っています」


【profile】
楢﨑正剛(ならざき・せいごう)
1976年4月15日生まれ、奈良県香芝市出身。1995年、奈良育英高校から横浜フリューゲルスに加入。プロ1年目から正GKとして出場し、クラブ消滅の翌年に名古屋グランパスエイトに移籍する。2000年から14年間キャプテンを務めるなどチームの顔として活躍し、2010年にはGK初のJリーグMVPを受賞。2018年シーズン限りで現役引退。J1通算631試合出場は歴代2位。日本代表として1998年から2010年まで77試合に出場し、4度のワールドカップを経験。ポジション=GK。187cm、80kg。

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